九州大学院歯学研究院の武洲准教授等の研究グループが、中国吉林大学口腔学院の研究グループと共同研究において、ヒトの歯周病の歯茎及び歯周病原因菌であるジンジバリス(pg菌)を全身投与したマウスの肝臓に、脳内老人斑成分であるアミロイドβが産生されていることを初めて発見しました。
九州大学の発表では、上記に報告を発展的に実証したとのことです。歯周病菌の原因菌の一つであるポルフィロモナスジンジバリス菌が全身に慢性的に投与すると正常な中年マウスの脳外で産生されるアミロイドβが脳内に取り込まれることは発見したとの事です。pg菌を3週間連続で投与すると、中年マウスの血液脳関門を構成する脳血管内皮細胞周囲の脳実質においてAβが増加し、記憶障害が誘発される事を突き止めたそうです。pg菌が全身に感染する事により抹消炎症組織でAβを誘発するとともにAβが脳内に取り込まれるメカニズムを示しています。以前から老人斑成分の中からpg菌が同定されるなど歯周病菌がアルツハイマー認知症に深い関わりがあると言われてきましたが、それを証明しました。
アルツハイマー認知症の予防に光が見えて来たように思います。認知症の予防に
- 食習慣・・・・・野菜・果物、魚をよく食べポリフェノールを摂る
- 運動習慣・・・・週に3日以上の有酸素運動をする
- 対人接触・・・・人との交流を持つ
- 知的行動習慣・・文章を書いたり、読書、ゲームをするなど
- 睡眠習慣・・・・良質の睡眠を得るため午前中に太陽光を浴びる、30分程度の午睡をする
などの生活習慣を変える事が必要と言われて居ましたが、加えて口腔ケア(歯磨き)で口腔内の清潔を維持し歯周病にならないようにすることが必要と思われます。また、自分自身での歯磨きはできたつもりになってしまうので定期的な歯科受診の必要性を改めて感じました。
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